ワークショップ「マラリア撲滅への貢献/途上国へ安全な水を」(2021.12.17オンライン開催)

開催概要

日  時: 2021年12月17日(金曜日)15:00-16:00

開催場所:オンライン( SDGs検討委員会内)

本委員会では、月に1度、オンラインで委員会を開催しています。2021年12月の委員会では、途上国でのSDGs達成への貢献をテーマに、住友化学(株)より先行例をご紹介頂き、東京大学より現在進行形のグループ研究を発表して頂き、また三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(株)にオブザーバー参加をいただいていて、ワークショップを行いました。

マラリア撲滅への貢献

住友化学(株) 木村氏より事業精神のご紹介を、石渡氏よりオリセット®ネットを通じたマラニア撲滅への途上国の支援についてご講演いただきました。本事業を開始した当初(1985年)はなかなか現地で浸透せず苦戦したこと、研究者の熱意・信念によりマラリア感染者数を減少に導いたこと、技術移転により現地で生産され雇用も創出されたこと、さらなる改良の検討も紹介されました。
本プロジェクトは、2000年に採択されたMDGsの目標6(HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止)や、現在進行中のSDGsと深く関連しています。住友化学株式会社の事業精神”利自利他公私一如”に基づいたテクノロジー開発がSDGs達成へ貢献した例といえます。
続く質疑では、使用後の廃棄やリサイクルに関連し、現地では漁網などへ再利用されていること、また生分解性など環境適合性の検討も進められていることが紹介されました。

途上国へ安全な水を―農村部で収入を増やすには?

東京大学 山本氏、農学生命科学研究科の学生7名(うち留学生4名)より、途上国での安全な水の確保に向け、経済的自立を目的とした水処理技術と農業生産を組合わせた農工融合シナリオの検討の途中経過を発表いただきました。この取組みは大学院の演習形式の講義において、グループワークとして行われており、本委員会が2021年9月に主催した特別シンポジウムにおける三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(株)(MCAS)佐原氏の講演と議論をきっかけに始まりました。
グループワークは、途上国で実際に事業を展開しているMCASから話を聞き、ブレーンストーミングを行うところからはじまりました。その結果、学生たちは、途上国への水供給の事業を進めるうえでは、費用対効果に関する課題を解決するための新たな提案が必要であるとの認識に至りました。そこで地元の農業における収益性の向上に向けたテーマが生まれたとのことで、提案や議論の途中経過について説明いただきました。
続く質疑のなかでは、水処理技術導入と農業生産の相互作用や相乗効果や、農産物の消費と販売に関する現状把握の重要性などがコメントされました。
講義での学生たちの熱意が伝わり、企業の専門性と学生のアイデアが合わさることで途上国をはじめとした実社会へのどのような貢献へつながるか、楽しみになる発表でした。